録音前日。

メンバーは全く関係の無い事だが俺自身としては生活も環境も大きく変わった録音になる。前作は混沌とした中で出来上がったアルバムだ。それでもあのアルバムを作らなければ今が見えていなかっただろう。真の意味で削ぎ落とすとは?とかね。削ぎ落とすって単純に音数の問題もあるんだけど選択肢を無くす事だと俺は思う。もう迷ったり試したりしている時間は無い。曲から始まって録り方、ミキシングに至るまで自分自身のやり方を続けていかなければいけないと思う。そりゃ欲しい機材もあるが無い物をねだりしてもどうしようもない。現状で何が出来るか?これだけだ。現状は変わっていくもんでもあるが今の現状でどこまで出来るかが一番大切でそれ以外は意味が無いと思う。今回の録音ではギターアンプハイハット以外は真空管機材を使用しない。ギターアンプ自体が真空管アンプなのでマイクプリアンプはトランジスタの機材を使う。要するに録音機材ではハイハットにしか真空管機材を使用しないという事だ。それはミキシングも同様で真空管機材は良い音なんだけど色が付いてしまう。それと俺にはぬるいんだな。それとスタジオでのセッティングスピードを上げたい。時間は決まっているしただでさえテープ録音で時間がかかるからアウトボードのセッティングは簡単にしたい。俺は演奏もするからね。最高なサウンドは俺には無理だが俺にしか出来ないサウンドは作れる。今まで反省ばかりしていたがもうそれもおしまいだ。サウンドはゴロゴロと転がっていく。