90年代の録音事情

記憶が定かではではないけど、デジタル録音の登場は70年代初頭だったはず。もちろん、一般的になるのは80年代からだろう。コンシューマー向けに作られて、一般的になるのは90年代からだと思う。90年代はデジタルレコーダーの価格はまだまだ高価でADATも8トラックで40万位だったはず。俺の最初の録音で使ったのはタスカムの8トラックオープンリールだった。アナログの良し悪しやデジタルの良し悪しなんてなーんにも分からない。二十歳そこそこだから当たり前と言えば当たり前なんだけど。それからカセットMTRでの録音、オープンリールと併用が続きマスターもハーフインチだった。初めてデジタルレコーダーを使ったのはDATでマスターに使っていた。未だに2台持っている。音の良し悪しも全く分からなかったけど小さいし便利だなと思った。

 

REGISTRATORSの初期シングルはオープンリールとカセットMTRの使用でマスターはハーフインチとーDATの併用だった。初のデジタルレコーダーは1stアルバムからでADAT16トラックで物凄く興奮したのを鮮明に覚えてる。ただ、違和感を感じた。アナログ録音と音が違う。その頃はよく分からなかったけど、中低域が無くカリカリした高音が目立つ。別物だった。ミキサーはアナログだったがマスターもデジタルで全てがガラッと変わった。90年代中頃だ。既にPRO TOOLSはあっただろうけどコンシューマー向けでは無かった。その後の7インチはアナログ、デジタル併用で状況に応じて使っていた。2ndアルバムはADATで1stと同じ。90年代終わりだ。その頃からコンシューマー向けのジップディスク等のレコーダーが出てきたはず。記憶が曖昧だけど。プロのスタジオではPRO TOOLSを使い始めていた。それも記憶が曖昧だけど。その後、ローランドのVSシリーズを購入してスナッフィースマイル7インチで使った。物凄く使い勝手が悪くて1回使って懲りた。データを全部消すという初歩的なミスもしたし。音もこじんまりとしていて、その後はマルチエフェクターとしてしか使っていない。もちろん、上手く使いこなしていた人もいるだろうけど。

 

2ndアルバム後にヨーロッパツアーをしてリリース予定も無く曲も出来ずレーベルも無く宙ぶらりんの状態だったが99年にラストラムからリリースする事が決まった。今までとは違いプロユースのスタジオでディレクター、エンジニア、アシスタントエンジニアまでいる状況で予算も桁が違っていたはず。2週間スタジオをロックアウトして使ってみたいギターアンプ等も用意してくれた。使ったレコーダーはソニーの48トラックでミキサーもバカでかい。もちろん、アウトボードも豊富で興奮した。そうして出来上がったのが3rdアルバムだ。確かに音は良い。が、俺に言わせれば芸能の音だ。悪くはないだろうけど、華美で嫌味のある音。

とりあえず長くなり過ぎたので、その後は次回に書きます。