ピート シェリー

少し時間が経ってしまったけど、やっぱり残念だ。もう一回観たかった。バズコックスを最初に聴いたのは高校一年生の時で、1stアルバムだった。第一印象はポップなんだろうけど不穏というか少し薄気味悪い感じで怖い印象だった。もちろんすぐに大好きになってギターでコピーしたりしたけど難しかった。コード進行が独特だし半音で進行していくって他のパンクバンドにはあまり無かったから手間取った。その次は単音ソロでほぼチョーキング無しで開放弦使ったりして独特で物凄く影響を受けた。スタジオで演奏するとバズコックスの感じが全く出ない。高校生にはよく分からなかったけど、すぐにドラムだと気づく。後々のマンチェスターのダンスとロックの元祖だと思う。アルバムは順番に聴いていったけど、シングルズゴーイングステディーが大好きだ。その後にスパイラルスクラッチを聴いてバズコックスの凄味というか深みを知った。

 

最初の再結成来日は80年代後半だったはず。行きたかったけど、都合が合わず行けなかったのが今でも悔しい。その後の来日は全てでは無いけど行ったな。90年代初頭のチッタでのライブや下北沢ユニオン!での昼間のライブ!その時は数曲だったけど、生のギターアンプの音で最高だった。写真も一緒に撮って貰ったがなくしてしまった。2000年代の渋谷のライブも行った。1時間きっかりで本当に素晴らしいライブ。これが最後になってしまった。下北沢ユニオンのライブ後に当時のベーシストのトニーバーバーが俺と連絡を取りたいと人づてに聞き凄く興奮した。何度か電話で話したけど物凄く良い人で嬉しかったな。内容はバズコックスがスウェーデンでライブをやった時にレジストレーターズと同じ会場でやったようで、そこの事務所に俺たちの写真が貼ってあってレンがバズコックスのTシャツを着てたのを見て、トニーが見覚えが有ると思ったらしく(それ以前に聴いていて知っていた!)連絡を取りたかったようだ。そこでトニーから提案されたのがプロデュースをしたいとの事でバンドをやっていて本当に良かったと心から思った。実現はしなかったけど俺には十分だ。予算も無かったしね。

 

バズコックスは再結成後もコンスタントに新譜をリリースした本物のバンドだ。どのアルバムも素晴らしく常に挑戦し素晴らしい曲を作っていた。心から尊敬するし今でも俺の手本であり指針だ。そんなピートが死んだ。今までどんなパンクバンドのメンバーが死んでも悲しく無かったし、遠い事だったけどピートに関しては別だったな。サンダーオブハーツを聴こう。もう、ライブを見れないんだな。